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社内のヒーローを可視化せよ!見過ごされてきた努力に光を当てる

株式会社リセは、法務業務の効率化が可能なリーガルテックサービスを提供しています。
国際的な総合法律事務所出身の代表が設立し、「争いのない『滑らかな』企業活動の実現」のミッションのもと、契約書レビュー支援AIクラウド「LeCHECK」や翻訳機能サービス「LeTRANSLATE」、「LeFILING」の提供を通し、法的リスクの最適化や法務業務の生産性の向上に取り組んでいます。
今回は、株式会社リセ 経営企画部 法務知財グループで知財担当をされている弁理士の鬼鞍 信太郎(おにくら しんたろう)さんにインタビューしてきました!


インタビュー

1.スタートアップへの転身―知財業務とともに進化するキャリア

特許庁:まず、鬼鞍氏さんのキャリアのスタートについて教えていただけますか?

鬼鞍:私のキャリアは、大手証券会社のシステムエンジニアから始まりました。6~7年間、金融取引システムの開発やプロジェクトマネジメントを担当していましたが、超ハードワークで心身共に限界を感じていました。また、社内でしか通用しないスキルばかりが身に付く印象を持っていました。今では、それもまた価値があると思えるのですが、当時はそう思えなくて。それがきっかけで、もっと手に職が付く仕事がしたいと考えていました。そのころに本屋で偶然「弁理士になる」という本に目がとまり、読んでみたら「何これ!面白い!!」と感じて、特許事務所への転職を決めました。

特許庁:知財業界への転職は、まったくの未経験からだったんですね。

鬼鞍:ド未経験です(笑)。特許事務所では主に特許明細書の作成を担当し、特に機械系の自動車メーカーや部品メーカーのお客様が中心でした。しばらくは明細書を書くことに専念していましたが、次第に「自分の書いた特許がどう活用されているのか?本当に役立っているのか?社会に貢献できているのか?」という思考に寄っていきました。
事務所時代の最後の方は、知財部のない中小企業に常駐させてもらって、エンジニアの方々30~40人を集めて「特許ってなに?知財ってなんだ?」みたいなセミナーをやらせてもらっていました。メーカーさんだったので、一緒の作業着を着て一緒にご飯を食べて、そういうお客さんに寄り添うっていうのがすごく面白い。特許を作る・書く仕事よりも、どう活用していくかみたいなところに興味があり、次は企業知財に行こうと決心しました。
転職先を考える際、大きい会社は当然に分業されているし、決められたタスクがあるでしょう。大きな会社は新卒で経験したので、どうせならば何もない荒れ果てた大地みたいなところでやっていきたいと考えて、たまたま御縁をいただいたスタートアップ1社目の会社が医療ヘルスケア関連のSaaS系スタートアップ企業(以下「A社」とします。)でした。

2.スタートアップでの知財業務―経営者へ打ち込む「タイミング」と「絞られた情報量」

特許庁:そのようなお考えでスタートアップでの知財業務へ飛び込んだわけですね。実際に働いてみて感じたスタートアップならではの特性についてお聞きしたいです。

鬼鞍:A社では、上場直後のタイミングから知財部の立ち上げに携わりました。特に印象的だったのは経営層との距離感です。大企業では組織が大きく分業されており、知財部門は他部署との連携が限られます。しかし、スタートアップのように大企業と比べて規模が小さい企業では、経営層や他部門と密に連携し、知財がどう事業に役立つのかを直接的に感じることができます。
また、スタートアップですごく求められるのは「マネジメント能力」です。プロジェクトというとたくさんの人が関わるイメージがあるかもしれないですが、自分のタスクを管理することもひとつのプロジェクトだろうと私は思っています。上司に共有するための分かりやすいドキュメントの作り方や仕事を進める力は、大手証券会社で叩き込まれました。
A社はドキュメンテーション化を大切にする会社で、とにかく紙にする文化がある会社でした。そのドキュメンテーション文化に、大手証券会社で培ったマネジメント力と、特許というちょっと独特なちょっとオタクな書く力が組み合わさってワークしました。あまり深く考えずに色々な分岐点を選択してたのですが、結果的にそれらがうまくハマったなと感じました。

特許庁:獲得してきた経験・スキルが存分に発揮できることは本当に幸せですよね。そのほかにA社で印象に残っているエピソードはありますか?

鬼鞍:あります。知財の仕事は“タイミング”が非常に大事です。社長から突然「新しい事業をやるぞ!」と号令がかかり、超タイトスケジュールで事業部や開発も巻き込んで、すごい勢いで事業の立ち上げをする機会があったのですが、そこでたまたま、やろうとしている事業に関連する他社の特許を見つけました。ちょっとリスクが高いなという特許です。社長がSlackで、「こういう機能よくない?」みたいなことを言った際に、「あっ!今だ!!」と思い、「こんな特許があります!」と、すごく噛み砕いたスライド一枚だけの資料を深夜に共有しました。そうしたらすごく喜ばれましたね。そのタイミングが大事なのかなと。
率直に言って、知財の仕事がすごく必要とされてるかというと、正直そんなこともなかったと私は思っていて、事業が滑らかに進むようにきちんとリスクマネジメントしてくれれば良いという程度の期待値だったと思うので、そんな環境で知財をゴリ押ししても仕方がない。常にホームラン打つ仕事でもないです。打席に立てるのがいつなのか、常に準備していれば、「あ、ここだ!」というタイミングは必ず訪れます。そこで150%の力を出し切る。そうするとメンバーからも経営層からも良い反応をもらえるかと思います。
それ以来、セミナーや会社の発明発掘でも、面白い、役に立つ、分かりやすい、の3点に特に気をつけて仕事をするようになりました。おかげさまで仲間からは喜びの声を結構もらえたと感じています。

特許庁:いいですね。深夜に送ったスライド一枚がなければ、そのまま突き進んでとんでもないことになった可能性だって当然あったわけですよね。

鬼鞍:そうですね。これをきっかけに社長ともつながった感がありました。入社してちょうど1か月ぐらいのタイミングでした。トップから認知されるってすごく大事です。しかも、最初に認知される仕事が一番大事ですよね。ある意味でラベリングされてしまう。これはスタートアップに限らずの話ですが。

特許庁:確かに。ちなみに、スライド一枚でまとめたというのが面白いなと感じます。普通は書きたくなりますよね?私はこんなに知っているぞと。

鬼鞍:分かります。でも、書きたいのは自分のエゴなんですよね。特許や知財って分かりにくいです。内容的にあまり業務で触れるような分野でもないですし、ただでさえ分かりづらい話になるので、とにかく時間のない忙しい人たちに向けては、一枚紙で分かる、特に絵を使う、左脳じゃなくて右脳的に理解してもらったほうが良いと思います。特許の概念図を書いて、あとはクレームだけちょっと入れて、という感じですね。一行で表現するということを、いつも気にして書いていますね。

特許庁:一行で表現する。すごい。

鬼鞍:一行、まぁ長くても二行です。つまり細かい情報は要らないんです。細かいところは自分で精査をしておけばいい。経営層には、大体どういうものかを理解してもらえばいいので、どれぐらい情報量をはしょれるか。全部を伝える必要はないという視点を持つことです。

特許庁:おっしゃるとおりです。それでいて正確性はしっかり担保しないと意味がない。

鬼鞍:まさにそうです。ポイントが何か、本質が何かというところを、どうえぐり出すかというのは、実は特許事務所で培った力です。クレームを徹底的に考えることを通じて、その発明の本質が一体どこにあるのか、コアを見つけること、そればかりを6年間地味にやっていましたので。

特許庁:たしかに。他人が発明した、よく知らない技術を言語化するお仕事ですからね。

3.スタートアップでのコミュニケーションスキル―知財の枠を超えて

特許庁:スタートアップで知財部員として活躍するための必須スキルとは何でしょうか。

鬼鞍:よく言われますがコミュニケーションスキルでしょう。コミュニケーションとは何かというと、「いかに情報をうまく伝えるか」と理解しています。情報の受け手に応じた言語が必ずあるので、好ましいと思われる口調や方法で伝えます。長く書いてほしいところだったら、私も長く書きます。そこの見極めが大事です。特許や知財の知識は大前提ですが、それプラス、このコミュニケーションスキルで色々な部門と分け隔てなく話せるということが、とても周囲から重宝されていたように思います。
私は「自走式」とよく言われますが、その意味は読んで字のごとく「自ら走る」、「自分で勝手に物事を進めている」みたいな意味です。自分で勝手に企画して進めて「なんか好きなことやってるなぁ」みたいなイメージ。会社のカルチャーの影響もあるかもしれませんが、A社でもリセでも、この点が評価されていた気がします。部門の垣根を超えてあらゆる社員とつながり、勝手に自分のポジションを作っている。
大企業だと縦割り・横割りで、明確なポジションが決まっていますよね。スタートアップでは、ポジションがとても曖昧です。ポジショニングをどうするかは、その人の性格や得意なことで決まります。私は色々な人と関わるのが好きなので、様々な部門の人と最初の1か月はランチに行きまくります。入社して最初にやったことは、エンジニアの方々と飲みに行くことでした。信頼関係をどう作るかが発明発掘にもつながってきます。やっぱりよく知らない人とは話しづらいですよね。話しやすい空気や土壌を作る。スタートアップに限らず、どこでも大事なことかもしれません。

特許庁:おっしゃるとおりですが、特にポジションが定まってないスタートアップで活躍しようと思うなら、その振る舞いはより大事な気がします。例えば、ランチにはどのように誘うのでしょう?社内のチャットツールなどでしょうか。

鬼鞍:廊下ですれ違ったら、「あ、ランチ行く?」みたいな感じで言うこともありますし、「最近どう?」みたいな感じです。あとはSlackとか火種のありそうなスレッドを見たら、「あれ、なんか大変そうだね」とか、「あれはきつそうなタスクだったけど大丈夫?」とか、そういう声かけは普段からやっているかもしれません。
特許事務所時代の後半、中小企業に3か月間ほど駐在した際に、人と協業するようになってこのスタンスに変わりました。セミナーやプレゼンをやるようになったら、人に喜んでもらえる。皆さんも同様の経験がおありかと思うのですが、「あ、自分にはこれできるんだな」みたいな瞬間があるのかなと。
他方で、地道な学びももちろん大切です。何も得られない人とお喋りとかランチしても面白くないですよね。人を誘うには、何らかのメリットのある情報を自分が持っていなければならない。特許を書けますとか、知財のことは分かっていますみたいな情報があれば相手も付き合ってくれるので、やっぱり下積み的な勉強の期間は必要なのでしょう。

4.無形資産の「見える化」ー人的資本の価値を高める取組

特許庁:知財担当なのに、こんなこともやってるよ!という仕事はありますか?鬼鞍さんは「自走式」なのであり過ぎるくらいかもしれませんが、代表的なものを教えてください。

鬼鞍:2つあります。1つ目は「ほうむ寺子屋」という勉強会を運営しています。今の会社では、知財1人、法務1人の2人体制で法務知財を担当しています。スタートアップだし“ぼっち”同士だから、知財も法務も関係なくお互いナレッジシェアをしようと勉強会をスタートしました。現職のリセは契約書のチェックを AI でレビューするツールを開発・販売していますが、私がそれを使いこなせれば法務の仕事もできる。もう1人の法務の方は弁護士ですが、商標の出し方くらい分かった方がいい、という具合に2人で始めました。でも、どうせやるならば営業の人を交えようという話になりました。営業は、お客様が企業の法務担当や弁護士先生なので、法律の知識があると喜ばれるのではないか、少しは法務部や知財部のことを知っている方がセールストークでもちょっとした添加剤になるだろうと思いました。
「ほうむ寺子屋」は、私と法務担当で25分ずつセミナーを行う形式で開催しています。法律やリスクのことだけ話すと面白くないので、自身の実体験から実際の特許の話につなげていくなど、導入部分で特許の話とは思わせない、気づいたら特許の世界に入っていた、と感じさせることがポイントです。毎回数名から数十名集まって、楽しんでくれています。

セミナーの最後には、チームビルディング・カードを使ったゲームをしたりもします。エンタメのエッセンスが大事です。自分が大事にしてる価値観を見える化するカードというのが市販されています。例えば、「心地良さ」、「仕事」、「義理人情」などと書かれているカードがたくさんあって、そのカードから自分が大事にしている価値観を見せ合って、コミュニケーションを円滑化します。法務知財とは全く無関係ですけど(笑)。意外と皆、お互いのことは分かってないんですよ。「あ、そんな一面もあるんだ」みたいな感じで盛り上がっています。

鬼鞍:2つ目は、「人的資産の見える化」です。会社にとって売上は、すごく大事ですよね。受注すると社内チャットがものすごく盛り上がります。私はそれを見て、純粋に羨ましいなと思っていました。「特許を取得した!」とアナウンスすることもあって、仲が良い人はスタンプを押してくれますが、やっぱり受注には勝てないです。圧倒的に勝てない。いいなぁと思いながら、よだれを垂らして眺めていたのですが、そこで「あっ!」と気づきました。「この『売上は何万円!』とか書いてあるけど、この数字って一体どうやってできてるのだろう」と。たぶん、そのセールス担当だけじゃなくて、セールス担当に渡すリードを獲得してきたマーケティングチームとか、バックオフィスのサポートとか、その数字の裏側には様々な人の関わりがあるはずです。
それを一人ひとりにインタビューしてコンテンツにして、社内で皆に知ってもらうという取組をやっています。それは知財の仕事ではないという人もいるかもしれないですが、これは私にとって「人的資本の見える化」なのです。
無形資産をいかに見える化するかというのは、私がずっとやってきたことです。特許とか関係なく社内には色々な価値があるわけですが、それは皆がもっと知ったほうが良いのではないかと。社長やほかのメンバーみんなに、こんなに頑張っている人がいるよ、ということを伝えたいんです。

特許庁:めちゃくちゃ面白いです。売上獲得とは、サッカーで言えば、「ゴールを決めた人」に当たると思いますが、その人の活躍だけでは当然ゴールは生まれないですよね。

鬼鞍:やっぱり数字が持つ力は強いんですよね、それだけになりがちです。でも、この世界はもっと連続性があって色々な人の関わりの流れがあるわけで、それを見える化すると、本人だけじゃなくその会社全体で「会社好き!会社ラブ!」みたいな、みんながちょっと仕事が面白いという状態になるはずです。

特許庁:間違いなく承認欲求を満たされますね。

鬼鞍:そうなんです。やっぱりそこなんですよね。ここをやらないと、スタートアップなので離職していってしまう可能性があります。この問題に知財担当としてできることは何だ、と考えた結果です。なんて、本当は自分がやりたくてやっていたので、振り返ってこじつけて言っているだけなんですが(笑)。よく考えたら、これは無形資産の見える化だなって、後で思いました。

特許庁:この活動は、無形資産の見える化の最高に優れた形のひとつだと思います。

5.スタートアップでの知財担当者としての心得―柔軟な姿勢と「寄り添う力」

特許庁:スタートアップの知財担当として最も大切にしていることは何でしょうか?

鬼鞍:一番大切にしているのは「寄り添う力」ですね。これは単に知財の専門知識を提供するだけではなく、事業や経営者のニーズを理解し、そのタイミングや状況に合わせて対応するということです。例えば、経営層が知財に関心を持っていない場合でも、その重要性を説得するのではなく、経営者が必要としている情報を提供しながら自然と知財の話題につなげることが効果的です。「知財やりましょう!」と押し付けても全く響きません。相手のニーズに寄り添い、その文脈に沿って知財の価値を伝えることを大切にしています。事業や経営者に「寄り添ってこそ」の知財です。

特許庁:なるほど。相手のニーズに寄り添うことがポイントですね。

6.読者へのメッセージ

特許庁:最後に、読者にはスタートアップに挑戦しようと考えている知財担当者もいるかもしれません。背中を押すメッセージをお願いします。

鬼鞍:大企業では、分業が進み特定の役割に限定されることが多いですが、スタートアップでは、知財の枠を超えた幅広い業務に携わることができます。また、個人的な意見ですが、外部環境に影響されないようなスキルを獲得できることが大事だと思っています。自分が興味のあること、自分の特徴を早くつかんで、これを生かした業務に取り組むことで知財に限らない活躍ができると思います。
スタートアップでは「自走力」も求められます。自分で考え、行動し、周囲を巻き込みながらプロジェクトを進めていく力です。これに加えて、コミュニケーションスキルがあれば、スタートアップでは即戦略です。幸い知財は平均年齢が高いため、年齢が高くても許される職種です。若ければなおさら、それだけですごいアドバンテージがあります。
なお、最近では副業を許容するスタートアップも多く、ほかの企業やプロジェクトで知財の専門知識を生かす機会が増えていて、収入面でも大きなメリットとなります。もし、今の環境で「自分の力が発揮できていない」と感じる方がいるなら、是非スタートアップに挑戦してほしいです。やりたいことを実現できる環境がスタートアップにはたくさんあります。よりダイナミックな環境でチャレンジしてみることを強くおすすめします。
最後に、知財は突き詰めると本当に面白い世界で、私の取り組む「人的資本の見える化」インタビューがまさにそうです。特許それ自体ももちろん面白いのですが、捉え方を広くし抽象度を上げていくと、知財の世界は広がりを持ちます。世の中には見えるものよりも見えないものの方が多いので、それをどう可視化するか?という題材はいっぱい転がっているわけです。それを探すという行為自体が面白いし、見える化して、伝えて、喜んでもらう、というところに、知財部の新しい価値みたいなのもがあるんじゃないかなと思います。

1日のリアルな業務内容

○9時半:出社
WeWorkの一画をオフィスにしている。共通ラウンジで水・コーヒー等の各種ドリンクを無料で手にできるのは嬉しい。対面コミュニケーションを重視してオフィス出社が多いが、週に1~2日はリモート勤務している。

○11時:作業
自席にてデスクワーク。企業法務の担当者のお客様に向けた知財に関する自社セミナー開催や、商品ヘルプサイトに掲載する知財の学習動画の内容を考える。特許や商標の取得や管理だけでなく、プロダクトに貢献できる新しい仕事を自ら考えるのが楽しい。

○13時:ランチ
オフィスがある神保町はカレーの激戦区で有名な店が多い。ランチタイムはどこも混むのでピークをずらしていつも遅めのランチにする。セールス、カスタマーサクセス、開発など様々な部門のメンバーとランチに行くことが多い。

○15時:MTG
チームMTG。週に2回、未来志向で目標達成に必要なアクションプランを確認。目標の1つがベンチャー法務知財チームのロールモデルを作るということ。知財担当が法務の業務フローを設計するなど、知財と法務とがちょうどよく協業できるベストなチームモデルを探っている。

○19時:退社
ゲートに入館証をかざして退社。飲みに行くことも多いがこの日は残業もほどほどにサクッと帰る。今日もお疲れ様でした。

あとがき

鬼鞍さんの話から見えてくるのは、スタートアップでの知財担当者が持つ可能性です。経営者との近さ、柔軟な働き方、自走力の重要性――これらの要素が、スタートアップで知財がどのように生かされるかを左右します。知財は単なる法的手続の一部ではなく、企業の成長を支える重要な資産です。
また、鬼鞍さんの取り組む「人的資本の見える化」には感動の一言です。知財の発掘・可視化が知財担当の業務とするならば、人材は最重要知財であり、その見える化は知財担当の仕事といえるのかもしれません。普段、スポットライトを浴びにくい方の価値を可視化して、仲間に伝えるこのチャレンジは、本note記事の試みとも通じるものがあります。
最後に、副業などの選択肢が増えつつあるスタートアップでは、収入面でも魅力的なキャリアパスが期待できます。スタートアップの世界に飛び込むことで、知財の新たな可能性を発見し、自らのスキルを一層磨いていくことができるのです。もし、あなたが今「何かが足りない」と感じているなら、スタートアップでの挑戦が、その答えかもしれません。